食文化には風土・気候・宗教観など、その国特色が反映されて形成されます。
その国、地域の気候によって、獲得できる動植物などの食材の違いがあり、煮る・焼く・蒸すなどの調理法があり、使う食器の種類などの食事方法などが存在します。
また、宗教観も食に与える影響は大きく、日本では「旨味」が和食の特徴の一つですが、仏教の影響で獣肉食を禁じており、魚を食していたことに由来しているとも考えられるそうです。
獣肉食を禁じていた理由には、日本がお米を主食とする稲作文化を持つことにも関係しています。
675年、日本で初めて肉食を禁止する法令「肉食禁止令の詔」を出した天武天皇は牛、馬、犬、猿、鶏のいわゆる五畜の肉食を禁じます。
牛は田畑を耕し、馬は人を乗せ、犬は番犬となり、鶏は時を知らせ、猿は人間に似ているからだとしています。
禁止期間は4月から9月までの農耕期に限定されていたそうです。
その後も、度々、肉食を禁じる法令が発せられますが、狩猟による、鹿や熊などの狩りなどは続けられていたようです。
そして、日本で肉食が解禁となったのは、明治4年(1871年)のことでした。
こうして厳格に肉食が禁じられてきた一方で、海外から新たな料理がもたらされると積極的に取り込み、様々な料理を生み出してきました。
また、茶道において誕生した「懐石料理」、お酒と食を楽しむ「会席料理」など飲食を楽しむために発展した料理もあり、日本食は奥深い世界観を形成しています。
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